人的資本

当社は創業以来さまざまな困難の中、「人」を価値創造の源泉と捉え、サービス先端企業としてチャレンジを続けてきました。2030年に目指す姿「GLOBAL NEO FINANCE COMPANY~金融をコアとしたグローバルな総合生活サービスグループ~」の実現と、「今よりもっと便利で豊かな持続可能な社会」をつくるべく、日々進化を遂げています。経営戦略の実現のためには、事業戦略×人材戦略の強力な連動が重要であると考え、事業部を伴走型でアシストできる人事組織体制へと変革しています。また新たに、これからのクレディセゾンを表す人事ポリシーを掲げ、より一貫性のある人材戦略のもとクレディセゾンらしい価値創造を実現していきます。

挑戦する風土づくり
データ
人材戦略強化ポイント

プロフェッショナル人材の創出

当社は、「新しい価値を創造し続けるプロフェッショナル人材の活躍と挑戦」こそが、経営戦略実現のための価値創造を牽引するものであるという考えのもと、プロフェッショナル人材を創出するための人材戦略を積極的に展開しています。社内公募制度「オープンチャレンジ」の機会拡充など挑戦できる制度づくりに加え、資格取得支援や研修プログラムによる専門性の向上、科学的アプローチによって個の強みを活かす人材マネジメント、人材ポートフォリオの構築と活用による育成・配置・採用計画を行い、適所適材の人材活用を実現していきます。

人材の創出

パフォーマンスを最大化する組織風土醸成

当社は、個人・チーム・組織それぞれが目指す姿を実現しパフォーマンスを最大化することが、持続可能な企業成長につながると考えており、2023年12月の導入後からデータの蓄積を進めているエンゲージメントサーベイでは、個人・チーム・組織の課題の可視化に向けたスコア分析や結果の活用方法を検討しています。
変化の激しい時代において、「サービス先端企業」として新しい価値を創造し続けるため、従来の人事主導での課題解決だけではなく、職場における対話を通した課題解決を目指します。

データ

NEXT SAISON

経営戦略の実現に向け幹部がリーダーシップを発揮し、社員とともにクレディセゾンの未来を考えることを目指す取り組みとして2021年度から毎年開催している「NEXT SAISON」では、チャレンジ型登用制度やFOC推進会議など、2024年8月末時点で15件以上の案件が実現されており、2023年度の採択案についても実現に向けた議論や準備を進めています。2024年度からは、NEXT SAISONのほか、社内ベンチャープログラム「SWITCH SAISON」、改善改革文化醸成のための「セゾンのカイゼン」の3制度を統合した提案制度にリニューアルし、全社員から同時多発的に提案・意見が飛び交う風土醸成を目指します。新しいNEXT SAISONでは、幹部も参画するコンテスト形式の新規事業提案および既存事業における新サービス提案や、業務改善・改革を進め部門を超えた事例共有や相互賞賛の場をつくることで部門間シナジーの創出を促す取り組みを行い、事業発展の加速に貢献します。

NEXT SAISON
NEXT SAISONの様子
saison campus

2022年度のNEXT SAISONで採択された「 ユビキタスカフェテリア改革で実現するセゾンキャンパス構想」により東京と大阪にある当社ビル(ユビキタスビル)の社員食堂のリニューアルが実現しました。食堂から交流拠点として進化し、イノベーティブでクリエイティブな働き方を促進しています。

チャレンジ型登用制度

2024年4月、当社の DNA として受け継がれる「創造的破壊」の精神を大切にし、積極的なチャレンジを促す風土を醸成するべく、経歴や雇用形態に囚われず、アルバイトを含む全社員が自らの手挙げによる志願をきっかけに管理職(所属長・課長)への登用にチャレンジできる新たな人事制度を導入しました。チャレンジする社員の「顕在能力」に加え「やる気」と「潜在能力」に期待し、速やかに組織運営、決裁権限などの責任を有するポジションと環境を用意する昇進試験です。実際に、初年度は10名以上の応募があり、2024年春の新組織体制にて3名が希望のポジションを獲得しました。本制度では、たとえ失敗したとしても、挑戦することに敬意を表し応援する社内文化の醸成を目指しています。

セゾン・レジリエンス

セゾン・レジリエンスは、変化に強い「人」と「組織」を育成し、困難や逆境を成長の機会に変える能力を養うプログラムです。グループ会社を含む役員・部長職が率先垂範の姿勢で取り組み、医学的・心理学的観点で人の内面にアプローチする力を身につけ、組織全体に広げることで、パフォーマンスの最大化を目指しています。

セゾン・レジリエンス

FOC推進会議/TGIF

グループ会社を含めた社内外にコミュニケーションの洪水(Full of Communication)を巻き起こし、社内外の人脈を広げることで業務における円滑なコミュニケーションにつながるよう、2023年4月に「FOC推進会議」を立ち上げました。取り組みの1つとして、飲食をしながら部門や会社を超えて業務外にコミュニケーションが取れる交流機会としてプロジェクト化した「TGIF」(Thanks God It’s Friday)を開催。2024年9月末時点で14回開催し、延べ1,000名以上が参加しました。今後は開催頻度を増やしてさらなるコミュニケーション活性を図り、事業発展のスピード加速を目指していきます。

[ FOC推進会議のプロジェクト]
FOC推進会議のプロジェクト
TGIF

Diversity, Equity & Inclusion

当社は「サービス先端企業」として社会に新しい価値を提供していくために、多様な人材が自分らしく活躍できる組織をつくることが必要だと考えています。2021年8月に代表取締役(兼)社長執行役員COOも参画する「サステナビリティ推進委員会」を設置し、本委員会の下部組織であるDE&I推進WG(ワーキンググループ)を中心に、ジェンダー・年齢・ハンディキャップ・国籍など多様な背景を持つすべての社員が働きやすい環境で自分らしく能力を発揮し、活躍できる組織を創るため、制度面の整備と相互理解の風土醸成に取り組んでいます。

Diversity, Equity & Inclusion

DE&I推進のための全社イベント開催

2024年1月、DE&I推進WGの取り組みとして、全社イベント「全員活躍を考えようWEEK」を初開催。社外ゲストや経営層を交え、社員一人ひとりが当社のDE&Iの現在地について主体的に考え学び対話する機会創出を行い、延べ約860人が参加しました。当社がより働きやすい会社になり、組織としても成長していくことができるよう、DE&I推進活動を行っています。

DE&I全社イベントを初開催した想い
全員活躍を考えよう

育児と仕事の両立

当社では社員の柔軟な働き方を支える制度の整備や定期的な育児中社員の交流活性、労使共催の育児と仕事の両立支援セミナーを開催しています。また、男性が育児休業を取得しやすい風土醸成にも取り組み、育児と仕事の両立をサポートしています。

男性育児休業取得者の声

障がい者雇用機会の拡大

2024年4月より障がい者メンバーで組成された「事業サポートチーム」を稼働開始しました。個々の特性や強みを活かし自律して安定就労できる職場づくりを目指しながら、障がい者雇用機会の拡大を推進します。

チャレンジ休職・グッドライフ休暇/休職

ライフイベントと仕事を両立させ自分自身の人生をより豊かにすることを支援するため、実際の社員の声も踏まえて新たな休暇・休職制度を導入。「チャレンジ休職」では自己のスキルアップや成長、復職後のさらなる組織貢献につながることを目的として、1カ月~最長2年間の休職が可能に。「グッドライフ休暇/休職」では積立有給休暇の利用用途範囲拡大により不妊治療による通院などの事情について、休暇取得や最長1年間の休職が可能となりました。多様な人材一人ひとりが強みを活かし、誰もが活躍し続けられる企業を目指し、制度改定も進めています。

Saison Global Summit 2024

2024年6月、海外のグループ会社が一堂に会する「Saison Global Summit」を池袋 サンシャインシティにて開催し、シンガポールやインド、インドネシア、ブラジル、メキシコ、タイから140名近くのメンバーが参加しました。当社のグローバル事業は、年齢や性別、国籍、人種を問わず多彩な人材が各国の事業をリードしています。今回のSummitでは各社の事業戦略やノウハウを共有するとともに、グローバル事業としてのミッション、ビジョン、バリューを発表。多様性の中にも共通の価値観をもちながら、グループ一丸となってファイナンシャル・インクルージョンの実現を推進しています。

ローバルの事業利益目標200億円を全員のスローガンに
グローバルの事業利益目標200億円を全員のスローガンに
“100年後のクレディセゾン”をテーマにしたグループワークも実施
“100年後のクレディセゾン”をテーマにしたグループワークも実施

全社員で企業価値向上を目指す組織風土づくり

当社では、企業価値向上につながる人的資本の取り組みを進めており、組織・人材開発、人事制度面でのキャリア形成や、人的資本への資本投下を行うほか、社員全員が業績や株価を意識し資産形成にもつながる業績連動型報酬制度の導入により、業績目標の達成意欲や働くモチベーションの向上を図っています。

決算賞与・特別賞与

2022年度、2023年度の前中期経営計画期間では、全社員で企業利益の達成を目指す組織風土醸成や社員のモチベーションを向上を目的に、業績連動型の賞与制度を導入。当社単体の経常利益の年間計画に対し、本決算で超過した額の一定割合を「決算賞与」 として支給したほか、コロナ禍にスタートした前中期経営計画の事業利益目標700億円の1年前倒し達成など、全社一丸となって取り組んだ結果を受けて「特別賞与」も追加支給されました。
これにより、2023年度の社員の平均年間給与は支給前の2021年度比で約10%増となり、実質賃金の引き上げにも寄与しています。
また、決算賞与の支給額は3分の2を「現金支給」、3分の1を「ファントムストック※」での支給とすることで、全社員の企業価値(株価)や経営参画に対する意識がより一層向上し、持続的な企業成長に繋がることを期待しています。

決算賞与の導入について

決算賞与・特別賞与
※ 仮想株式による付与。前中計の当初最終年度である2025年3月末
  時点の株価で乗じた金額で現金支給額を算出し支給予定

持株会制度

当社では、決算賞与の導入に加え、社員全員が業績や株価を意識する風土醸成を目指し、持株会制度への加入も推進しています。
初の決算賞与が支給された後となる2023年7月には、加入拡大キャンペーンを行うなど積極的な訴求活動も行い、2023年度末時点の加入率は48.5%まで上昇。社員の業績・株価意識の引き上げに繋がっています。
持株会は1,000円からの少額購入が可能、かつ奨励金10%も付与されることから、社員の中長期的な資産形成にも役立てられているほか、時価総額1兆円規模を目指すクレディセゾンの成長ストーリーを全社員で支える制度となっています。
今後も全社員の企業価値や株価、経営参画に対する意識をより一層向上させ、持続的な企業成長を目指していきます。

持株会制度