人材戦略

人材戦略 人材戦略

新中期経営計画におけるクレディセゾンの
人材戦略構想について教えてください。

戦略の軸となる方策は2つあります。1つは「プロフェッショナル人材の創出」、もう1つは「パフォーマンスを最大化する組織風土醸成」です。「プロフェッショナル人材の創出」では、社員一人ひとりが個性や強みを活かして失敗を恐れず挑戦できること、主体的な学びやリスキリングを通じた自律的なキャリア形成ができること、それぞれが個性や強みをより発揮すべき場所で発揮できることが重要であると考え、積極的な人的投資を行い「総合生活サービスグループ」の一員として、企業価値創造に貢献できる人材開発を行っています。「パフォーマンスを最大化する組織風土醸成」では、個人・チーム・組織がそれぞれ目指す姿を実現することでパフォーマンスが最大化されるという考えのもと、失敗を恐れず挑戦できるための風土改革・風土醸成の取り組みを推進します。
2023年12月にはエンゲージメントサーベイを導入し、個人・チーム・組織における課題を可視化し、人事主導の課題解決だけでなく職場における”対話”を通した課題解決を目指しています。
また、経営戦略実現のためにはさまざまな取り組みを通じて、各部門と協調・協働することが大事だという考えのもと、これまで以上に人材戦略と事業戦略の連動性を高めていきます。
2024年度より人事部内に「HRBP(Human ResourceBusiness Partner)」を新たに設けました。HRBPは事業部門やグループ会社のHRビジネスパートナーとして事業成長を人事面からサポートする役割を担います。各部門の「人と組織」に関わる課題の発見から施策の実行までのすべてに携わり、事業の拡大や組織の強化、そして社員の成長に寄与します。
当社においても、事業ドメインによって求められる人材像や課題が刻々と変化しています。また、経営や事業環境が速いスピードで変化し続ける現代において、経営戦略のみならず人材戦略も、スピード感を持って変化し続けなければならないと考えています。事業戦略と人独自の課題を解決し、進化を続けるクレディセゾングループの構築を目指してその役割を果たしていきたいと思っています。

新中期経営計画における人材開発として
新たに推進していることや取り組みを教えてください。

「クレディセゾンの人事ポリシー」の策定に取り組んでいます。経営戦略実現のために解決しなくてはならない多くの課題の中から、緊急度や優先度を鑑みて会社としてのビジョン・ミッション・バリューだけでなく、当社が人事面で何を大切にしているのか、どのような想いで社員に向き合っているのかといった考えを明示することが必要だと考えました。これまで当社の人材戦略における思想や方針、方策たる戦略基盤が明示できていない面がありました。そこで今般「人事ポリシー」を明確にすることによって、当社のカルチャーを分かりやすく発信するだけでなく、立ち返る場所となることで“筋”の通った人事制度を確立させたいと思っています。
「人事ポリシー」は一部の経営陣や管理職により閉鎖的に決めるのではなく、役職や年齢問わず多数のメンバーが参加して意見を出し合い、最適解を導き出せるよう何度もディスカッションを重ねています。斬新なポリシーをつくっていくということではなく、経営陣の社員に対する想いや、当社が歩んできた歴史の中でぶれずに大切にしてきたことなど、“クレディセゾンらしさ”をしっかり言語化していこうという強い想いがベースとなっています。今後はより攻めの姿勢で人事施策を実行していくため、さまざまな判断の軸にしていきたいと考えています。

今後の成長や競争力強化のために、
どのような人材投資を行っていくかを教えてください。

当社には事業を通して人を育てる風土が根付いており、若手社員にも裁量権のある仕事を任せています。これらは当社の強みです。仕事を通して学びを得ながら、人事制度面においても社員が必要な能力やスキルを取得するための学びを実践し、自身の強みを活かしながら自律的に次なるステップへと進んでいくことを後押しするための人材育成、成長への投資を行っていきます。競争力強化という視点では、当社における処遇制度の基本方針は「より高い役割(≒処遇)は、社員が自らの意思と行動でチャレンジして勝ち取るもの」であり、その方針に沿って社員がより高い役割にチャレンジし、自ら勝ち取るための機会拡大や能力開発支援に重点的な投資を進めています。高い役割を担う人材への成長支援と機会提供は、結果として社員の市場価値を高めることに繋がり、先が見通しにくい不確実な世の中において、本質的に社員を守ることにつながるものと考えています。また社員一人ひとりがモチベーション高く能力を発揮し続けるために、企業利益を社員に還元すべく、決算賞与による賃上げも人材投資の1つとして行っています。これからも経営戦略に連動してどのような人材投資であるべきか考え続けることが重要だと感じています。

変革期にあるクレディセゾンではどのような人材の活躍を求めていますか。

人事戦略の重要な軸として掲げたとおり、プロフェッショナル人材の創出は事業の発展・拡大において必要不可欠です。専門領域を深耕する社員と、多岐にわたる事業領域を新耕する社員、それぞれのプロフェッショナル性を高め新たな挑戦に夢中になってもらいたいと考えています。「GLOBAL NEO FINANCE COMPANY~金融をコアとしたグローバルな総合生活サービスグループ」となるためには、グローバル、CSDX、不動産、金融決済ビジネスそれぞれの領域の事業拡大において活躍できる専門人材の開発も推進します。また変化に強い「人と組織」を築くためには、多様な人材の活躍が求められます。2015年にダイバーシティ宣言として 「お互いを認め合い、活かし合う。一人ひとりが自分らしく輝く全員活躍のクレディセゾンへ」を掲げました。それ以降、DE&Iは社内で少しずつですが浸透し、意識が高まってきたと感じています。「女性活躍推進」という概念が普及する前から、当社では女性がさまざまな職種で活躍し、当社の成長を多分に担ってきました。女性の管理職比率は目標水準を達成していますが、当社にはまだまだ推進できる土壌があると思っています。多様な背景を持つすべての社員が働きやすい環境で自分らしく能力を発揮し、活躍できる組織をつくるため、制度面の整備と相互理解の風土醸成に引き続き取り組んでいきます。

今後、人的資本をより戦略化し実行していくための計画や目標、
長期ビジョンを教えてください。

現在、当社は大きな変革期を迎えています。次なる企業ステージでさらなる飛躍を遂げるためには、クレディセゾンらしさを継承しながら、人的資本戦略においても改革が必要であると確信しています。これまで以上に自身の強みを伸ばし、自律的なキャリア形成ができるよう人事制度や施策内容をブラッシュアップし、変化に強く変化を楽しめる人材開発のもと、当社の企業文化である「オープン・フランク・イノベーティブ」をより醸成させていきます。
また、より人的資本戦略の実効性を高めるために、従来のやり方のままではなく、より科学的に一人ひとりのタレント性を捉え、人材ポートフォリオを構築して戦略的育成・配置・採用計画を実行します。人的資本戦略においても新たな挑戦が必要だと感じています。今後も当社の多様な人事制度によって社員が安心して挑戦し続けられる環境をつくるとともに、ワークライフバランスを充実させながら、長期的に優秀な人材が活躍できる会社であり続けられるよう、前例や慣習にとらわれない当社らしい人事制度改革に取り組んでいきます。