社外取締役による座談会

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分かりやすく、説得力のある新中期経営計画の策定

  • 新中期経営計画で、特に注力したのは「これまでの延長線上を超える成長」というテーマでした。国内では「ペイメント事業の構造改革」「本体と子会社のクロスセル強化」そして「海外市場、特にインドにおける事業成長」の3つが柱となっています。これらを柱に、次元の違う成長を目指すとともに、より透明で分かりやすい情報開示を行うことが重要でした。社外取締役として、株主の信頼と期待を獲得するために大いに意義があると考えています。
    この「異次元の成長宣言」に至るまでには、経営会議や取締役会で多くの議論を重ねました。特に各部門のコミットメントやリスク、必要なリソース等を詳細に確認し、私自身も金融業界での経験を活かして意見を述べました。最終的に、この新中計の策定には、CEOとCOOの強い意思が必要不可欠だったと考えます。
  • 取締役会では、IR活動や投資家に対する事業戦略のアピールについて議論してきました。新中計についても、取締役会や経営会議で十分な時間をかけて検討し、そのプロセスは極めて全社的な取り組みでした。特に今回の計画は「分かりやすく、説得力のある」ものにすることを追求し、それが市場からも評価されたのだと思います。
    弁護士・公認会計士としての専門知識を活かし、意思決定の前提にある「ファクト・ロジック・プロセス・エシックス」の妥当性を常に意識してきました。その結果、具体的で明確な中計が出来上がり、分かりやすい情報開示が実現しました。これは、取締役会での議論やCOOのリーダーシップが体現された成果だと感じています。
    全取締役が株価に対して改善策を打つ必要性を共有しており、今回の分かりやすい開示はその結果です。これからも、さらに開示の改善に向けた努力が続くべきだと考えています。また、水野COOが各部署と丁寧に調整し、緻密な中計が出来上がったことに感謝しています。
  • 取締役会では、IR活動や投資家に対する事業戦略のアピールについて議論してきました。新中計についても、取締役会や経営会議で十分な時間をかけて検討し、そのプロセスは極めて全社的な取り組みでした。特に今回の計画は「分かりやすく、説得力のある」ものにすることを追求し、それが市場からも評価されたのだと思います。
    弁護士・公認会計士としての専門知識を活かし、意思決定の前提にある「ファクト・ロジック・プロセス・エシックス」の妥当性を常に意識してきました。その結果、具体的で明確な中計が出来上がり、分かりやすい情報開示が実現しました。これは、取締役会での議論やCOOのリーダーシップが体現された成果だと感じています。
    全取締役が株価に対して改善策を打つ必要性を共有しており、今回の分かりやすい開示はその結果です。これからも、さらに開示の改善に向けた努力が続くべきだと考えています。また、水野COOが各部署と丁寧に調整し、緻密な中計が出来上がったことに感謝しています。

各々のバックボーンを背景としたロジカルな議論から

  • 新中計では、3年後に「事業利益1,000億円、ROE9.5%」を目指しています。これは規模の成長と収益性、資本効率の向上を同時に達成するという非常にチャレンジングな目標です。曖昧な戦略が社内外の混乱を引き起こす可能性もあり、成長と効率のバランスをどのように取り、どのように発信するかが議論の中心でした。
    今回の中計では、成長性と効率性を重視する領域が明確に示されています。例えば、ペイメント事業ではプレミアム層や中小企業向けに収益性を高める一方で、リボ払い等のサービスで規模を拡大させる戦略を採用しています。ファイナンス事業でも、スルガ銀行㈱との提携を通じて成長を目指すと同時に、信用保証ビジネスで資本効率を高める計画です。
    こうした具体的な道筋がしっかり示されており、取締役会でもその点が大きく議論されました。
  • 私が特に意識したのは「規律」です。顧客、株主、社員といったステークホルダーに対して、バランスの取れたメッセージをどう発信するかが重要でした。企業価値向上や社員の生産性向上は特に重視し、株価は直接コントロールできないものの、企業価値向上の目標設定や、その裏付けとなる各事業部の計画の合理性を常に問い続けました。
    反省点としては、まだ当社のビジネスへの理解が十分ではなく、顧客目線での発言が不足していたと感じています。ただし、全体としてはバランスの取れた計画になっていると考えます。
  • 新中計の実現には「ペイメント事業の構造改革」と「グローバル事業の成長」が鍵となりました。特にペイメント事業ではDX推進が不可欠ですが、外部採用したDX人材が辞めずに推進にコミットしている点からも、構造改革は適切に進んでいると評価しています。
    グローバル事業では、各国の法規制リスクや資金調達の流動性リクなど多くの課題に対して意見を出し、グローバル事業部門とも認識を共有しました。現地と本社の連携も重要であり、今後も引き続き議論しながら、進捗を確認していきます。

グローバル事業を中心に予測不能なさまざまな事態について議論

  • 私が社外取締役1年目ということもあり、グローバル事業の理解に困難を感じました。特にインドを中心とするグローバルサウス市場のリターンとリスクをどのように捉えるかが課題です。大きな成長が期待される分野ですが、リスク管理の面でまだ学ぶことが多いと感じています。友人のネットワークを通じて市場情報を得ながら学んでいる段階です。
    また、当社のコア事業であるペイメント事業も厳しい競争環境に直面しており、資本と労働の効率をどう高めるかが重要です。新中計では、国内外の事業に対して限られた資本をどのように効果的に配分するかが問われています。この部分を柔軟に対応することで、成長戦略を実現することが鍵だと考えます。
  • 新中計では、特にグローバル事業の成長目標が注目されました。目標設定に対する議論が活発に行われた中、現地法人のCEOやリスク管理を担当するCOOから直接意見を聞いたことで、私はその成長目標に賛同することができました。海外事業の失敗例は、現地経営陣とのコミュニケーション不足や戦略の不一致に起因することが多いため、現地の経営陣からのコミットメントを確認できたことは非常に意義があったと考えます。
    ただし、海外には法規制の急変リスクや資金流動性の問題など、予測不能な事態が常に存在します。これらのリスクに対する備えを強化し、急変時の対応策についても議論を深める必要があり、引き続き提言していきます。
  • 経営環境が大きく変化していることが議論の中心となりました。特に、ポスト・コロナ時代に加えて、金利環境の変化や東証による資本効率の重要性が強調される中、これにどう対応するかが課題です。成長性、収益性、効率性を向上させるため、限られた経営資源をどう配分し、どのように調達するかについての議論が取締役会で行われました。
    リスク・キャピタルの配分に関する議論はALM委員会でも深められ、成長戦略を支えるための資源配分のあり方が常に取締役会でも意識されていました。この視点を軸に、今後も計画を推進していく必要があります。

水野COOを中心とする取締役や各執行取締役との定期的なミーティング

  • インドの経営陣との議論はもちろんですが、私は各部門の役員とも定期的に1on1でミーティングを重ね、戦略や課題について日頃からディスカッションを行っています。この日常的な意見交換が、新中計の策定に大いに役立ったと感じています。特に、経営企画や財務部門との1on1では、飛躍的な成長を支える資金調達戦略や資本政策について深く議論しました。こうした積み重ねが、今回の自己株式取得や配当方針の決定において重要な役割を果たしました。
  • 議論の流れ自体は特別な転換点があったわけではなく、むしろ当社における“普通”の議論の延長だと感じています。私が社外取締役になってから4年が経ちますが、取締役会での議論はますます具体性や論理性が高まり、グループ一体経営を真剣に目指していることが、今回の中計にも反映されています。ペイメント事業とファイナンス事業のクロスセルや、CSDX戦略の構築等がその例です。これらは水野COOや各執行取締役のリーダーシップの成果であり、投資家にも良いメッセージを発信できたと思います。
  • 中計の事業利益目標1,000億円が提示された際、ROEターゲットが10%を下回ることには正直驚きました。その後のキャピタルアロケーションの議論では、私はROE10%の達成に強いこだわりを持っていたため、自己株式取得の規模や戦略について多くの意見を述べました。

中期経営計画の実行を支える重要なガバナンス体制の強化

  • 私が社外取締役を務めたこの4年間で、取締役会の構成や議論の内容が大きく進化しました。ペイメント、ファイナンス、グローバル、デジタルといった基幹領域のリーダーが揃い、昨年からは坂口さんと加藤さんが加わり、多様な視点が加わったことで議論がより深まりました。また、取締役会の実効性評価が行われ、課題解決の取り組みが丁寧に進められています。特に意思決定プロセスの透明化が進み、意見がどのように反映されたかが見えるようになった点は評価すべきだと感じています。
    さらに、今年度の組織改定では、リスク統括部と監査部を充実させ、取締役会へのリポーティングラインを強化しました。これはガバナンスの強化に寄与しており、今回の中計の実行を支える重要な要素です。私はこれからもこうしたガバナンス強化に注目し、社外取締役としての役割を果たしていきたいと思います。
  • 私は経営者としての視点から、社員の生産性や新興国市場でのリスクなど多くの疑問を提起しました。例えば、DXの効果をどのように測定しているのか、資本コストの意識が子会社レベルにまで浸透しているのかといった点です。こうした率直な質問に対して取締役会や経営陣が真摯に向き合ってくれたことには感謝しています。
    ただし、「この役員が担当しているから大丈夫」といったコンセンサスに依存し、十分な議論が行われていない部分も見受けられました。今後は、より長期的な視点で「クレディセゾンらしさ」を追求し、サービスや戦略の議論に取締役会の時間をもっと割けるようにすべきだと考えています。特に人材の確保と多様性の強化が今後の課題となるでしょう。
  • 取締役会やALM委員会、拡大経営会議等での議論は年々活発になっています。当社がペイメント事業にとどまらず、GLOBAL NEO FINANCE COMPANYという新しい事業体を目指しているため、変革のプロセスに関わる社外取締役としても、それぞれが深い専門知識を持つことで議論が刺激的になっています。
    ファイナンス事業やグローバル事業の拡大に伴い、ガバナンス体制の整備も急務です。内部監査体制の強化が進んでいますが、さらに発展させる必要があります。私は、内部監査部長との1on1ミーティングを開始し、今後も取締役会以外の場でも議論を深めていく予定です。特に喫緊の課題については、社外取締役として取締役会での審議をリードし、今後も必要な意見具申をしていきます。