新型コロナウィルス感染症によるニューノーマル時代への移行や、ロシア・ウクライナ紛争の長期化、物価高騰など、私たちを取り巻く環境はこの数年で大きく変化しました。このような先行きが不透明で不確実性の高まる時代においても、私たちが将来にわたって社会から必要とされ続けるためには、社会課題の解決に対して積極的に取り組んでいくことが必要だと考えております。社会課題を解決し持続可能な社会をつくることは、私たちの成長と一体と捉え、ノウハウ・経営資源・社員一人ひとりの力を活用してグループ全体でサステナビリティの取り組みを進めてまいります。
2021年8月、サステナビリティ活動に関する代表取締役の諮問機関としてサステナビリティ推進委員会を設立しました。代表取締役(兼)社長執行役員COOも参画し、社内の多様な部門を担当する執行役員、社外取締役等がメンバーとなり、グループ全体で社会・環境課題解決へ努めてまいります。従来から取り組んできたサステナビリティに関する取り組みを改めて整理し、2022年9月には、「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)と取り組み」として定めました。今後も経営環境の変化に応じて見直しながら、マテリアリティに沿った事業活動を推進してまいります。
世界では、気候変動をはじめとする環境課題が深刻化しています。
私たちは、2022年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明するとともに、賛同企業や金融機関が議論する場であるTCFDコンソーシアムに参画し、温室効果ガス排出量の削減目標を掲げ、TCFD提言に沿った情報開示を行いました。気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識し、今後もグループ全体で取り組みを進めてまいります。
私たちは、持続的な成長をする上で最も大切な資本は「人」であると考え、創業以来ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンを推進してまいりました。社員がメンタルもフィジカルも良好な状態で働き続けられるよう健康経営にも取り組んでおります。社員一人ひとりの多様なチャレンジを認め、失敗が許容される心理的安全性を確保し、パフォーマンスを最大限引き出せるよう、今後も会社としてサポートを続けてまいります。
また、国境を越えた持続可能な世界を目指し、世界におけるファイナンシャル・インクルージョンを推進するため、東南アジア、インドを中心にグローバル事業を展開し、十分で適切な金融サービスが受けられない人々(アンダーサーブド層)や企業に対して、デジタル化・現地化された金融サービスを提供しております。2022年4月には、インドの事業モデルを横展開し、初の南米エリアとなるブラジル・メキシコに進出しました。今後も各国の現地企業との協業、インパクト投資を通じて、現地の人々のファイナンシャル・インクルージョンを実現させてまいります。
私たちは持続的な企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営上重要な取り組みと位置づけ、内部統制システムの整備やリスク管理体制の強化、コンプライアンスの徹底などにより、その実現に努めております。2020年3月には、業務執行と管理監督の分離によるコーポレート・ガバナンス体制の一層の強化を目的に、取締役会の役員構成を見直すとともに執行役員制度を導入し、適切な管理監督機能の発揮及び効率的な業務執行体制の整備を図りました。今後も引き続き、コーポレート・ガバナンスに関する国際的な潮流及び内部統制システム基本方針を踏まえて、当社に適した経営機構のあり方を検討してまいります。